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『わたしを離さないで』 [ヒューマン]



わたしを離さないで [DVD]










2010年(米・英)

★★★★☆

監督:マーク・ロマネク
出演:キャリー・マリガン/キーラ・ナイトレイ/アンドリュー・ガーフィールド


逆輸入の奇才、カズオ・イシグロ原作。

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外界から隔絶した寄宿学校ヘールシャムは、他人に臓器を“提供”するために生まれてきた
〈特別な存在〉を育てる施設。
キャシー、ルース、トミーは、そこで小さい頃から一緒に過ごしてきた。
しかしルースとトミーが恋仲になったことから、トミーに想いを寄せていたキャシーは
二人のもとを離れ、3人の絆は壊れてしまう。
やがて、彼らに逃れようのない過酷な運命が近づく。
ルースの“提供”が始まる頃、3人は思わぬ再会を果たすが……。
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以前、原作を読んだときも(2006年)「映像で観てみたい」と感想を書いてる。
http://www007.upp.so-net.ne.jp/bump/book/watasiwo.html

作品の素材自体に力があり、映画化ではその魅力を
損なうことなく映し出していると思う。


「人生は短いのだ」


これがイシグロ作品の通念。



物語で語られることすべてが、切なく、痛く胸に響く。


この世が“諸行無常”であるとすれば、彼らの存在したことそのものも
変わりゆくひとつの生命体が刻んだ段差に過ぎないのか。



なによりもこの空気感。
素晴らしき映像色ととてつもない広がりを感じさせ、と同時に宇宙は感じさせない。
あくまで別世界のようでいて、別次元のようでいて、それでも
この物語はこの世界に在る。



思いつくままに世界中どこへでもいける時代に、モノも食えない貧困も
同時に存在する。



原作をこえるものではなかったが、原作だけでは感じ取れない
何かを感じた。

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