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『水曜日のエミリア』 [ヒューマン]


水曜日のエミリア [DVD]







『水曜日のエミリア』/
OVE AND OTHER IMPOSSIBLE PURSUITS/THE OTHER WOMAN
2009年(米)

監督:ドン・ルース
主演:ナタリーポートマン/


★★☆☆☆


『レオン』のナタリーポートマンの主演。



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女性なら誰しも、その全てを手に入れたいと願うのは当然のこと。
新人弁護士のエミリアも、ごく普通の幸せを求めただけだったが、
彼女は、最初のボタンを掛け違い、既婚者の上司に恋をしてしまった。
エミリアの妊娠をきっかけに離婚が成立した相手と結婚したものの、
世間の見る目は“略奪女”。
以来運命が彼女に配るカードはどれも不運ばかり。
追い詰められたエミリアは娘の死にまつわる“秘密”を告白すると、
愛する家族との絆はぷっつりと切れてしまう。
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・・・って1994年の作品なんだね。
昨年は『ブラック・スワン』ゴールデングローヴ、
米英のアカデミー主演女優賞を受賞するなど華々しい活躍を
みせた彼女だけど、コンスタントに年2~3本の作品に出ている。

ボクの拙Blogでもその『ブラック・スワン』をはじめ
http://bumps.blog.so-net.ne.jp/2011-05-18
『ブーリン家の姉妹』(2008年)、
『マイ・ブルーベリー・ナイツ』(2007年)
http://bumps.blog.so-net.ne.jp/2008-10-20-1
のレビューを書いている。


「それでも、人生は愛おしい」


今作には、そんなキャッチ・コピーがついている。

上司との不倫、その前妻との軋轢、継母としての葛藤と自分の乳児の死亡。
さらには実父との長年のわだかまりも複雑に絡み合い、
なにもかもが裏目なダーク・トンネルに踏み込んでいく。

エミリア役、主演のナタリーポートマンはもちろん、素晴らしい演技。
『アイ・アム・レジェンド』のチャーリー・ターハンも見事。
エミリアと再婚するジャック役のスコット・コーエンは宇梶さんにしか見えません。


浮かれたラブ・ロマンスではなくコメディ要素も皆無。
アドベンチャーもファンタジーもない。

「家族」というPartyに回帰するその絆を描いているのだけれど。


時間的なことは感じさせない。
そのへんはさすが、なんだけど。


「自分だけが辛いと思うな」という目で見始めるとどこにも共感できない。
目線をどこに持っていって感情移入すればいいのかも。

もっといえば、この

「どこにでもある深い悲しみ」

を誰もが内包したまま生き続けるんじゃないのか。

「あの日」も、、「あの時も」、そして、「あの時間」をも
誰もが後悔しながら、それでも明日を探して歩いているんじゃないのか。


苦痛や困難を乗り越えてこそ「家族の絆」というものが
手に入るというのがこの作品のメッセージなら
そのしわ寄せをすべて受けるのは子供だ。

エミリアがこれで「変わった」とはとても思えない。


不器用であることは、自覚すべきことであるけれど
表に出すことではない。



「等身大の不幸」なんて映画で観るもんじゃない。



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